手術前に鼻根部のヒアルロン酸を溶かしました.
先月末頃から急に忙しくなってきました。開院したての当院にとっては大変うれしいことです。いつも利用して頂いている常連様をはじめ、日本各地や海外から遠方わざわざクリニックに足を運んでくださった患者様に厚く御礼を申し上げたいと思います。ブログの更新が遅れてしまいましたが、頑張ってやっていきたいと思います。
さて今回は、”鼻尖の向きを下向きに変えつつ高くしたい”、”鼻背は直線的ではなく反った感じ(下に凸)にしたい”というご要望で手術を希望された患者様をご紹介します。こころよくモニターを引き受けて下さりました。ありがとうございます。
まず術前の写真(正面)です。
ヒアルロン酸が鼻根部から眉間にかけて注入されているため、この部分が不自然な感じがします。
さらに鼻が曲がっているのが強調されてしまっています。
真横から見てみましょう。
鼻尖部が上を向いているのと鼻柱が短いことがわかります。もともとやや短鼻であるために鼻根部から眉間にヒアルロン酸を注入することで鼻が長く見えるようにされていたのだと思います。自然できれいな鼻にするには鼻尖を高くして下向きにすることだと思われました。これはご本人の希望と一致していた為、鼻先の手術プランは立てやすいものでした。ただ、鼻背をややそったように下に凸にするというのが少し難しい希望でした。
そこで、ヒアルロン酸を溶かして元の状態をみないとなんともプラニングできないと思い、まずはヒアルロニダーゼを用いて溶解することにしました。ヒアルロニダーゼを使うとどの様な経過をたどるのか知らない人も多いと思いますので、今回は溶解されていく経過をお伝えしたいと思います。
上の写真はヒアルロニダーゼを眉間と鼻背部に0.5ml注入した5分後ぐらいの写真です。すでに少し溶けていることが分かると思いますが、液体が注入された分、ややぶよぶよした感じになっています。ヒアルロニダーゼの注入はヒアルロン酸を注入するよりも内出血が生じやすいのですが、今回はなかったようです。ちなみに内出血は下眼瞼のヒアルロン酸を溶解する場合に多いです。
上の写真は注入後5日目の写真です。鼻根部のヒアルロン酸はすっかり溶けた印象です。恐らく5日で8‐9割のヒアルロン酸は溶解されるのだと思います。
前後で比較してみましょう。
真横からの写真(左が溶解前、右が溶解5日後)ですが、鼻が一回り小さくなった印象を受けます。また、ヒアルロン酸が注入されていた鼻だと、鼻尖部がもっと高くないとバランスが悪いことが分かります。この状態で鼻背部のラインを観察すると、わずかに下に凸の反った鼻背形態であるため、このまま部位別に細片軟骨の注入量を変えながら注入することでより自然な鼻背ができる可能性が高いとプラニングしました。
結論として、今回の手術計画は鼻中隔延長(鼻中隔軟骨採取)+鼻尖縮小+鼻尖へonlay graft(耳介軟骨採取)+鼻背部へ細片軟骨移植としました。次回に術後経過をお知らせします。
料金とリスク
- 料金(税込):ヒアルロニダーゼ(0.5cc)皮内テスト含む 22,000円
- リスク:腫脹、痛み、アレルギー、針穴の発赤、全部溶解できない可能性