斜鼻+ハンプの症例
本日のモニター様は幼少期の外傷で生じた斜鼻とハンプ(鼻背部のふくらみ)の治療と、丸い鼻尖をすっきりした感じにしたいとのご要望で手術を受けられました。
過去に地元の美容外科で鼻骨の骨切りを受けられており、鼻すじの上の方が曲がっていたのは良くなったそうです。
ただ、下側(軟骨部分)の鼻すじの曲がりがまだ残っていることと、
鼻柱も曲がっているため、鼻の穴の形に左右差があることが気になっているとのことでした。
術前の写真をご覧ください。⇓
矢印は
左から1枚目:鼻すじの軟骨部分の曲がり、
左から2枚目:鼻先から鼻柱にかけての曲がり、
左から3,4枚目:ハンプ
を指しています。
患者様のご要望にお応えするために
鼻中隔軟骨のくりぬき切除(SMR)+エクステンディドスプレッダーグラフト+バテングラフト+鼻尖形成+鼻背部細片軟骨移植
を行いました。
それでは結果をご覧ください。
まずは正面像です。⇓
鼻の下半分の曲がりはだいぶ真っすぐになりましたね。
それに伴い、鼻柱もまっすぐになり、鼻の穴の形の左右差はずいぶん改善しています。
また、鼻背が真っすぐになったことに加え、
平坦だった鼻背を細片軟骨を移植してシャープにしたので
鼻すじを術前より細い印象にすることができました。
その効果で、鼻背に連続する鼻尖もすっきり見えるようになりました。
次は下からみた写真です。⇓
下からだと鼻柱が曲がっているのが矯正されたことがよくわかります。
また、丸みのあった鼻尖も自然な感じに細く仕上がっています。
次に、右斜位の像です。⇓
ハンプがなくなってきれいな鼻背になっています。
真横から見るとハンプが良くなっているのがよくわかります。⇓
最後にもう一度、結果を一覧にしてお見せします。⇓
今回はもともと一度手術されていて、
そんなに悪い状態ではないところから始まっているのですが、
さらに良くしたいとのご要望で、、
微調節の手術でした。
こういった手術の方がかえって難しかったりします。
その上、
前回の手術で鼻中隔軟骨がすでに切除されていたことが今回の手術中に判明したので、
ちょっと苦労しましたが、、
その甲斐があり、
患者様は満足されていました。
料金とリスク
- 料金(税込):鼻中隔延長(鼻中隔軟骨使用):550,000円(税込) 鼻尖形成(耳介軟骨使用):660,000円(税込) 鼻背部細片軟骨移植(耳介軟骨使用):440,000(税込)複合手術割引各10%
- リスク:腫れ、内出血、感染、イメージと違う、傷跡が残る、左右差が気になる、術後一時的につっばり感が生じる、後戻り、鼻尖が少し曲がる、鼻尖部の軟骨の形が浮き出す、鼻先の感覚が一時的に鈍くなる、軟骨は10%程度吸収される可能性あり。
あとがき:鼻手術の勉強会
今回の手術にも通じるものがあるのですが、
鼻の手術はいろんな状況に対応できる引き出しが多いほど安定した成績が出せます。
外科医がさらに引き出しを増やすには常に論文や学術書を読んだり、講習会に参加して研鑽を積む必要があります。
ということで、今回は愛知県の藤田医科大学でザ・プラス美容外科(韓国)のジョン先生によるレクチャーがあり、参加してきました。
この講習会では、ジョン先生の鼻手術に対する考え方や、引き出し(テクニック)をいくつか学ぶことができました。
早速当院での鼻手術に生かしてみたいと思います。
今回結構な人数が参加していて、北海道からも九州からも参加があったとのことで驚きました。
若いドクターが主体で、私が最年長ぐらいかなと思っていたのですが、、
自分より年配の知り合いの先生も来られていたのでビックリです。
メスを置くまで勉強を続けなさいという無言のメッセージを感じました。