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目の複合治療 ~下眼瞼脱脂+眼窩脂肪移植+目頭切開の巻~

下眼瞼脱脂術+眼窩脂肪移植+目頭切開(スキンリドレーピング法)の治療経過

今回の患者様はモニターでもないのに、ブログへの掲載許可を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。この患者様は30代の方で下眼瞼のくまと目と目の間隔が広いのが気になり来院されました。下眼瞼のくまは相手に疲れているような印象を与えるため、治療の希望が多い場所です。

 まず、術前の状態をお見せします。↓

 いわゆる目袋(専門的には眼窩脂肪と言います。)とくぼみ(医学的には3種類のくぼみ: ティアトラフ, パルぺブロメイラーグルーブ, ミッドチークグルーブと言います。)があります。くぼみが軽度だったので、いつものヒアルロン酸注入ではなくて、目の裏(結膜)から切除した眼窩脂肪を細かく砕いてくぼみに注入する治療を行いました。

眼窩脂肪をそのまま注入脂肪に使えれば、ふとももなどからわざわざ脂肪吸引しなくてもよいので楽ですね。ただし、欠点としては量が少ないので軽度陥凹の方しか適応がないことです。

次に術前と経結膜的脱脂術と眼窩脂肪注入術を行った術後1か月の写真を並べてお見せします。↓

 いい感じですね。ご本人にお伺いすると内出血もほとんどなかったそうです。最近は内出血が限りなく少なくなるようにラジオ波という電気メスと特殊なニードルをつかって、出血がほどんどない状態で手術を終了しています。それでも年齢的なものや体質、肌質により全員に内出血ほぼなしで手術することは不可能です。ただ、個々人によって内出血の予測はできるので手術前にお問い合わせ頂きたいと思います。

次に目頭切開に移ります。写真のようにテープを貼って目頭を寄せ、どのぐらい目頭を寄せるかをシュミレーションして相談します。この患者様は自然な感じを希望されましたので、1~1.5㎜ぐらい寄せるようにプラニングしました。↓

 さらに目頭の傷は結構長く目立ち、目立たなくなるのに一年近くかかる方もいらっしゃいます。当院では3種類の目頭切開を行っていますが、今回は傷が一番目立ちにくいスキンリドレーピング法で手術しました。中国の王先生が2007年に報告された方法です。

 次に術直後、術後1週間、1か月の写真をお見せします。↓

傷が目頭より内側につかないので1か月ぐらいで傷はかなり目立たなくなります。

最後に術前の写真と術後(経結膜脱脂術+眼窩脂肪移植術の2ヶ月後+目頭切開1か月後)を並べてお見せします。↓

如何でしょうか?疲れているような感じがなくなり、涙袋がでるようになっており、少し目と目の間が狭くなって顔面のバランスが整ったのではないかと思います。まだ、傷がほんの少し赤いので2-3か月後の写真を撮らさせて頂きましたらまた結果をお見せしたいと思います。

料金とリスク
  • 料金(税込):経結膜下眼瞼脱脂術+眼窩脂肪移植 407,000円/目頭切開 275,000円
  • リスク:腫れ、内出血、左右差、眼窩脂肪がわずかに残る可能性、脂肪注入直後の凹凸感(0~7日)、注入脂肪の量が足りない可能性、しこりが生じる可能性、くぼみが再発する可能性、傷跡がしばらく目立つ可能性、一時的な結膜の充血、顔の印象が変わる

 

コロナによる自粛が解除され、皆様どうお過ごしでしょうか? 5月中旬から6月中旬ぐらいまではダウンタイムが長い手術が多かったのですが、このところ普通にヒアルロン酸やボトックスを希望される方も増えてきて、コロナ前の診療風景に戻りつつあります。また、宮益坂も人通りが多くなり、以前の賑わいが少しずつ戻ってきてほっとしています。

 振り返ってみると感染拡大のターニングポイントは4月下旬から5月初旬でした。下のグラフは朝日新聞の5月27日の日刊に掲載されていたグラフです。

 重症患者数の目安である、人工呼吸器装着数が四月下旬をピークに一気に減少しているのが分かります。私も肌感覚で4月末が折り返し地点だなと思っていましたが、グラフでこのようにはっきりと示されていました。まだ十分に収束したとは言えない状況が続いていますが、どうしたら感染を防ぐことができるのかということを分かっていればあまり恐れることもありません。